POP作成の秘訣!それは高速道路の標識を作るものと思え

POP作成の秘訣!それは高速道路の標識を作るものと思え

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店舗で商品の売上を上げるためにはいろいろな方法があります。店舗自体の内装を変えて、お客様の購買心理を刺激する方法はよく知られていますし、定期的に行うお店も少なくありません。さらに、陳列を工夫したり、入り口からレジまでの導線を工夫するなどといった方法もあります。

ですが、それよりも、もっと簡単に売上に貢献してくれる方法があります。それがPOP(ポップ)作成です。

POPとは、商品について、イラストや文言でアピールする内容を書き添えた広告のことです。激安スーパーのような安価な商品を販売する店舗から、高額商品を販売する店舗まで、幅広く行われている、売れる売り場作りの効果的な手法です。

逆に言えばそれだけの売上増加に貢献するというわけですが、ただ単に商品のアピールをすればいいというわけではありません。

6割のお客様は商品を探し求めているわけではない

面白い話があります。どのような業種の店舗でも、商品の購買意志がしっかり固まって店舗にお越しになる方は全体の4割以下だといわれています。

つまり、全体の6割のお客様は、たまたまお店に立ち寄って商品に目を留めて購入されたか、他の商品を購入した際に、当初は購入する意志がなかった商品を購入した(ついで買い)ことになります。

もちろん、売上につながるプロセスの中で、売り場スタッフの説明や接客は不可欠です。しかしながら、商品の目の前でお客様の足を止めてくれなければ、いくら熟練した売り場スタッフでも売上につなげることはできません。お客様の足を止めることができるのは、ほかならぬPOPの力に寄るところが大きいのです。

POPは、高速道路の標識を作るようなもの、お客様の足を止めればそれで成功とすべし

前項でPOPが売上につながる大きな役割をしていることを述べました。そのため、売上につながるPOPの作り方が存在することも事実です。しかし、プロのコピーライターでも、実際に商品がどんどん売れるPOPを書くのは、非常に難しいです。

そこで、まずは、お客さんの足を止めることを意識してみましょう。お客さんが足を止めてくれれば、売り場スタッフが接客する「機会」を作り出すことができます。つまり、話しかけやすくなります。

仮に、売り場スタッフが接客できなくても、POPを通じて商品と向き合い、購入につながっていくケースも珍しくはありません。

したがって、まずは、ご自分の店舗の客層、どのようなお客様が感心を持つ商品なのかをよく考え、POPの文言やデザインを考えてみてください。

POP作成やデザインを考える時に意識すべきこと

POPの文言(コピー)や、デザインを考える時に意識すべきことは、「高速道路の標識」です。

「高速道路の標識を作るつもりで、POPを作ること」これがポイントです。

なぜだかおわかりでしょうか? 高速道路の標識は、自動車学校でルールを学んでいるから理解できるという側面があります。とはいえ、一目見ただけで、どのような意味を表 しているかを一目でわかるようにデザインを工夫しています。

POPや広告を作るときは、どうしてもいろいろなアピールポイントを詰め込みたくなりがちです。そこを削れるだけ削って、もっとも多くの方にアピールできる方法を考えるのです。高速道路の標識を作ることを意識しろというのは、そういった意味なんですね。

1例をあげましょう。たとえば青果コーナーで大根のPOPを書くことになったとします。

大多数の初心者の方は、このようなPOPを作ると思います。

大根1本100円
埼玉で育った朝収穫の甘味がつよい上質な大根です。
おでん、煮物に最適

たしかに特徴をよく捉えていますが、店舗の中を意識せずに歩き回っていて、果たして目を留めてくれるでしょうか。

そこで少し工夫します。例えば下記のようなPOPです。

「おでん」になるために生まれてきた大根!
辛みが薄いので七草、みぞれ鍋、辛み餅にも最適
埼玉県産1本100円

いかがでしょうか。いささか不謹慎だと考えられるかたもいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも足を止めていただきやすいのは、後者のPOPのコピーだと思います。

ご自分の店舗の客層、また、顧客の中からどのようなニーズが普段から強いかをよく把握しておき、高速道路の標識のようなPOPを作ることを常に意識してください。