
POP作成の秘訣!売れる POP を書くには店舗の客層の分析から
先の記事で、POPは「高速道路の標識を作ることを意識しろ」と述べました。つまり、「一目で何をアピールしているかがわかる」ことを常に意識し、お客様の足を商品ブースに止めることが、POPの最大の目的です。
当たり前の話ですが、ますブースに足を止めて商品を見てもらわなければ絶対に売り上げには繋がりません。非常に重要なポイントですので、もう一度整理してみましょう。
POPを作る時に考えるうえで大事なのは、以下のとおりです。
(1)あくまで多くのお客様が関心を持つエビデンス(根拠)のある言葉を使う。(自分が気に入った語呂のいい言葉を使ってPOPを作っても、売り上げにつながる可能 性は低い)
(2)お客様の足をブースに止めるキーワードは、なにかをつねに考える。
(3)POPに多くの言葉を詰め込まない。10文字以内で、お客様の足を止めるためのキャッチコピーを作ってPOPに使うこと。その他の商品の特性は、ボディコピーに 記載したり、別途チラシを作ること
特に「3」は、重要な項目です。売る側としては、当然、商品に対しての思い入れがあります。とはいえ、文字情報は「読もう」という意志が働かなければ、まず読み進めることはありません。
そこで、POPでは、不特定多数の顧客層が関心を持つ10文字程度のキャッチコピーを徹底的に分析します。POPのキャッチコピーを見た方が、これは自分に関係があることであって、「はっ」とする10文字程度の言葉を選ぶわけですね。
これが実は、恐ろしく難しい作業で、人によって反射的に目に止める関心のある言葉というのは限られます。
たとえば、パソコンに関心がある方なら、「限定!MACBOOKAIR1円」なんていうキャッチコピーをつければ、絶対に足を止めるでしょう。
ところが、APPLE社のMACBOOKを知らないうえに、情報機器にさほど関心がな い人ばかりだったら、どうでしょうか?そういった状況があるかはさておいて、素通りしてしまうでしょうね。
つまり、どんなに優れた商品であっても、ある程度認知度がある商品であっても、ブースのポップを使ってお客様の足を止めなければ、売り上げにはつながらないわけです。
ここで、たぶん多くの方は疑問を持たれていることでしょう。
そうです。先の記事で、キャッチコピーを書く上で、お客様が関心を持つエビデンスがある言葉を使うと述べました。では、お客様が関心を持つエビデンスがある言葉とはなんでしょうか。
これは永遠のテーマといってもいいのですが、客層を調べ、もっとも関心をもってもらえる言葉を客観的に選定する姿勢を持ち続けることです。具体的には、以下のことを参考材料にして、POPのキャッチを書く材料にします。
(1)その商品は、特定の顧客(たとえば男性・女性 特定の年齢層)にニーズがあるものなのか
(2)自社店舗で販売する場合、その商品はニーズが高まる季節があるのか。
(3)一日の営業時間の間で購買ニーズが高まる機会が発生する商品なのか
これは、あくまで大別したものですが、顧客のニーズはもっと細分化されているはずです。加えて、思わぬニーズが発生している商品もあります。
今の40代の男性に抵抗がある方が多いようですが、20代~30代の男性は、眉や髭 を調えるはさみなどのケアセット、皮脂をケアする脂取り紙、体臭ケアなどは当たり前に使用します。
これは、すでによく知られていることですが、他の世代の消費者の間で、店側が認知していないニーズはたくさんあるはずです。
POPで売り上げが上がらないのは、こういった細やかな購買層のニーズの変化を、売り場担当者やその上層部が分析を重ねないことが原因の一つにあります。
また、売り上げ日報やPOSデータなどから購買層のニーズを分析しようとする人が いますが、必ずしもあてになりません。購買意志が高い人しか買わない「売れて当たり前」の商品のデータしかあがってこないことがあるからです。
誤解のないように触れておかねばなりませんが、今をときめく売れ筋商品で、短期的に売り上げをしっかりとることも重要です。それ以外に、先述の方法で、売れ筋と化しつつある商品や、まだ規模が小さいながらも売れ筋になりつつある商品を見つけ、積極的に売っていく作戦を立てるのは、店舗全体の売り上げ向上につながるのは間違いありません。
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